大怪我から復帰まで1年 “万感復活打”の韋駄天が語る葛藤の日々「浮き沈みあった」
若林は3三振の後に決勝打「また三振するとみんな思っていたと思う」
■西武 9ー4 巨人(交流戦・7日・ベルーナドーム)
西武は7日、本拠地ベルーナドームで行われた巨人戦に9-4で逆転勝ちし、連敗を5で止めた。「1番・右翼」で出場した2年目の若林楽人外野手が、6回に逆転2点タイムリーを放ち決勝点となった。ルーキーイヤーの昨季は序盤に20盗塁を量産し、タイトル争いで独走していたが、5月30日の阪神戦で守備中に左膝前十字靭帯損傷の大けがを負い、手術を受けて残りのシーズンを棒に振った。長いリハビリと2軍での調整を経て、再びスターダムへの階段を上り始めた。
「あれが若林のいいところ」。辻発彦監督が試合後に笑顔でうなずいた。この日の若林は、巨人先発のアンドリースの前に3打席3三振を喫していた。ところが1点ビハインドの6回2死満塁で迎えた第4打席では、相手投手が3番手の鍬原に代わっていた。初球の外角低めの151キロ速球を迷いなくスイングし、右前へ逆転2点タイムリー。右手の拳を地面へ向かって振り下ろす、迫力満点のガッツポーズを見せた。
「3三振していて、よく最初からああいう風に打てるものだと感心しますよ。ヘッド(松井稼頭央ヘッドコーチ)と、あいつのことだから3三振していても打つんじゃないかと話していたら、いきなり初球を打った。あいつらしいと言えばあいつらしい。とにかくタイミングが合ったら振る、というタイプの打者です」
辻監督は切り替えの早さ、思い切りの良さを称賛。若林本人は「初球から自分の一番いいスイングをしようと考えていました。また三振するだろうと、みんなが思っていたと思いますが、チームの勝利に貢献することができて本当にうれしい」と頬を紅潮させた。