辻監督は苦言「いい所へ投げりゃいいじゃん」 西武ドラ1隅田が勝てないワケ
先発ローテに生き残れる? 辻監督「ちょっと考えないといけない」
しかし、辻発彦監督は別の“敗因”を指摘する。「真っ直ぐが良かったのだから、真っ直ぐで押し切らないと。あまりに変化球が多かった」と苦言。「変化球を打たれてから、仕方なく真っ直ぐを投げようとしたが、今度は出力が上がらない。(5回には)143キロくらいがやっとの真っ直ぐになっていた。だから連打を食らった気がする」と話した。確かに、ストレートは序盤に148キロを計測していたが、5回には吉川に141キロ、岡本和に144キロ、坂本に142キロを打たれた。
隅田は前回2日の阪神戦で5回までに12安打(3失点)を浴び、「相手がカウントごとに狙い球を絞っていて、ストライク先行でいったのが裏目に出てしまいました」と反省していた。同じ球種をそろえると打たれる、という意識が脳裏に焼き付いていたのかもしれない。しかし辻監督は、会見でそこに話題が及ぶと、「直球を狙われたら、いい所へ投げりゃいいじゃん。甘くいくからでしょ」と語気を強めた。そして「しっかり腕を振って投げられれば、あいつの真っ直ぐはそんなに打てないって! そうでないと変化球も生きないから」と熱弁を振るった。
ドラフトで4球団の指名が競合したポテンシャルは伊達ではない。球種1つ1つの質は高く、きっかけさえつかめば白星を重ねていくこともできそうだ。ただ、大前提として先発ローテに生き残れるかどうか。辻監督は「(交流戦終了後は)日程が空くし、5試合しかない週が続くから、ちょっと考えないといけない」と含みを持たせた。大物新人は潮目を変えられるか。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)