一塁到達最速タイム生んだ“究極のヘッドスライディング” パの快足トップ5は誰?
余裕の走りで3秒80の好タイムを叩き出すソフトバンク・三森大貴
野球の魅力は豪快な一発だけにあらず。内野にゴロが転がった時でも、打者走者が送球より早く一塁に到達するかどうかをめぐり、手に汗握るスリルを味わうことが可能だ。
今回は、開幕日の3月25日から4月30日までに記録された内野安打において、打者が打ってから一塁ベースに触れるまでのタイムを計測。トップ5に入った選手を紹介しよう。
ただし、セーフティバントによって内野安打になったケースは除外した。あくまで打ってから走り出した場合での勝負。単純な走力だけでなく、ヒッティングからランニングに転じてトップスピードに持っていく切り替えの素早さや、一塁を目指して全力で走り切る意欲なども含めた総合力がゼロコンマ2桁目にシビアに影響するだけに、毎年選手の顔ぶれが様変わりする世界でもある。果たして“今旬”最前線のトップを張る韋駄天(いだてん)は誰か?
最初に登場するのは、5位に入った三森大貴内野手(ソフトバンク)の3秒80というタイムだ。昨年から二塁のレギュラーに定着した身体能力抜群の選手だが、筆者個人の計測においては、これまで好タイムを記録する場面と縁がなかった。そのため、正直、「ここまでのタイムを出すとは……」と驚いた。
一塁かけ抜けタイムの計測を始めて今年で20年になる「かけ抜けマニア」を自称する筆者の経験則からすると、3秒80というタイムはシーズン1位になってもおかしくないレベルである。それにもかかわらず、三森は一塁ベース付近で余裕をもってかけ抜けていた。
最後まで本気で走ったら、どのくらいのタイムを叩き出すのだろう? そんなワクワク感を抱かずにはいられない内野安打だ。