一塁到達最速タイム生んだ“究極のヘッドスライディング” パの快足トップ5は誰?

ボテボテの投ゴロを安打にしてしまう和田康士朗(ロッテ)が2位

 3位の三森とわずか0秒01の差とはいえ、3秒75で堂々2位入賞を果たしたのは、代走がメインながらも昨季パ・リーグ盗塁王に輝いた和田康士朗外野手(ロッテ)だ。

 なんと、ボテボテのピッチャーゴロをヒットにしてしまった。和田は長身長足の体型で、ストライドの広いカモシカのような美しい走り方が特徴の選手。高校時代は陸上部に所属していたことも、そのフォームと関係しているかもしれない。

 今年は代走から脱却してレギュラー定着を目指すも、4位の高部に先を越された格好となった和田。だが、パ・リーグトップレベルのスピードであることは、このタイムをみても明らかである。まだまだ伸びしろあり余る22歳。これからどのような選手に成長していくか見逃せない。

 さて、1位の前にひと休み。番外編として、ふたつのタイムを用意した。ひとつは右打者でもっとも早く一塁をかけ抜けた3秒94というタイム。これは日本ハムの松本剛外野手が記録した。

 新庄剛志BIGBOSSのもと、プロ11年目にしてキャリアハイの成績を残しそうな気配の松本。右打者が4秒を切るのはプロの俊足選手でも滅多にないことだが、このタイムを記録した時はTOP5に入った左打者たちもそうなっていたように、低めの変化球にバットを放り投げるようにして当てた打撃だった。

 普通ならば、この当たりではアウトになると悟り、走りを緩めてそのまま凡退してしまうところだが、打ってからすぐに全力で走り始めたのが内野安打につながっている。松本の今年にかける意気込みがにじみ出ていたシーンだと言えるだろう。

 また、もうひとつは、今回対象外としたセーフティバントによる内野安打のタイム。これは福田周平外野手(オリックス)による3秒69がトップをとった。セーフティバントは、半ばスタートを切るような体重移動からバットに当てていることが多い。そのため、普通にスイングしてから走り出すよりも早いタイムが出やすい。

 3秒60台は日本人選手が普通に振っていたら到底出ないタイム。この福田選手のシーンを見ると、しっかり転がしさえすれば出塁するのに有効な手段であることがあらためて分かると思う。

1位を記録した走りは“究極の”ヘッドスライディングによるもの

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