子どもの将来考え“世界初”の取り組みも 野球未経験の医師がチームを設立したワケ

「春日学園少年野球クラブ」の岡本嘉一代表【写真:川村虎大】
「春日学園少年野球クラブ」の岡本嘉一代表【写真:川村虎大】

春日学園少年野球クラブの岡本嘉一代表は放射線科の医師

 少年野球が直面する競技人口の減少と無縁のチームがある。茨城にある「春日学園少年野球クラブ」は2013年に創設してから、年々メンバーが増えている。最大の理由は、岡本嘉一代表が作り上げたシステム。実は、岡本代表に野球歴はない。

 原則、土日のどちらか1日の半日しか活動しない「週末1/4ルール」や父母会設立の禁止、球数制限にノーサイン、ノーバント主義。常識を覆すチーム方針を掲げる春日学園少年野球クラブの名は、少年野球界に広がっている。今では県外からもメンバーが集まる人気チームとなっているが、その理由は子どもの将来を考えたシステムにある。驚くことに、チームをつくった岡本代表に野球経験はない。チームを立ち上げた理由は、子どもたちの体の“異変”と危機感からだった。

「なんでこんなにも肘がボロボロなんだろうと思いました」

 岡本代表は筑波大の大学病院で放射線科の医師を務めている。肘を検診した際、野球をしている子どもたちが他の競技と比べて“異常”だと気付いた。疑問や危機感を抱く中、チーム発足を決断する出来事が起きた。息子が「野球をやりたい」と言い出したのだ。独自に全国の少年野球の情報を集めた結果、数々の問題点を知り「自分でチームをつくるしかない」と決意した。

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