「野球を辞めたい」と言った息子、父は「ありがとう」 たどり着いた驚きの結末

「野球を辞めたい」と言った息子に、父は「ありがとう」と返した
「野球を辞めたい」と言った息子に、父は「ありがとう」と返した

学童野球を卒団した後は中学で卓球部に入部、父は後押しした

 少年野球を続けていた我が子から、中学進学を機に卓球部に入ることを決めたと報告を受けた。その時、野球をずっとサポートしていた父はこう言った。「ここまで野球を通じて、いい思いをさせてくれてありがとう」。野球との“別れ”にも関わらず、なぜ二人はこのような境地にたどり着いたのか。楽しいことも、辛いことも一緒に乗り越えてきた親子の物語を紹介する。

 現在、中学1年生で卓球部に所属しているAくんは関東地方の学童野球チームでプレーしていた。最終学年はエースとして、チームを大会の優勝に導いた。小学5年生の頃には上の学年に混ざり、主軸を任される強打者で、チームの中心選手でもあった。

 しかし、バッティングフォームに悩み、スランプに陥った。上の学年の投手の球に対応できなくなり、調子は下降線に。だんだん打順は下がり、いつしかスタメンから外れるようになってしまった。落ち込む日々が続いた。

 6年生になったある日。父のBさんは息子から「野球を辞めたい」と告げられた。

「息子は体が大きい方でしたが、あまり活発なタイプではなかったんです。(周囲との)実力差も感じはじめていました。『そんなこと言うなよ』『活躍できるよ』みたいなことを言っても無駄なことだとわかっていました。本人が辛い状況にいることは感じていましたから」

 諦めたわけではないが、父は息子の気持ちが本心であることがわかっていた。これは二人だけにしかわからないこと。父は「よくここまで頑張ってきたな」と受け入れることにした。実はこの親子、指導者の暴言などを理由に他のチームから転籍していた過去がある。移籍してからは楽しく野球を続けることができていた。

 心残りはないと言えば、ウソになる。父は息子に言葉を続けた。

「どうせ辞めるのであれば、最後にやってみたいポジションをやってからにしないか? このまま終わるのはちょっと気分が晴れないのでは? 挑戦してからにしようよ。君の人生が変わるかもしれないよ」

 息子はこう答えた。「そうだね。僕、ピッチャーをやってみたい」。父は驚いたという。

投手をやりたいことを監督へ直談判、その答えは…

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