DeNA牧秀悟よりも「上ではないか」 名スカウト絶賛、ドラフト上位候補・森下翔太の魅力
中大・森下に「バットを強く振れる」と高評価
東都大学リーグの1部・2部入れ替え戦の初戦が20日、神宮球場で行われ、春季2部優勝の東洋大が8-4で1部最下位の中大に先勝した。両大学関係者にとっては秋季リーグの運命を決める、胸が締めつけられるような戦いだが、ドラフト候補生の真価をはかる舞台としても非常に興味深い。
この日、ネット裏にはプロのスカウトの姿も見え、その中にはベテランの名スカウトとして知られる広島・苑田聡彦スカウト統括部長の顔もあった。初戦に敗れた中大だが、「3番・右翼」で出場した森下翔太外野手(4年)、「4番・一塁」の北村恵吾内野手(4年)はいずれも右打ちのスラッガーで、ドラフト上位候補だ。森下は得点には絡めなかったが、左前打2本で5打数2安打。北村は押し出し四球と9回の左前適時打を含め、2打数1安打2打点2四球1犠打だった。
苑田氏の視線は特に森下に対して熱かった。「とにかくバットを強く振れることが魅力です。重心がしっかりしているからこそ。変化球に対しても、当てにいくのではなく、しっかりついていける」と高く評価し「大学4年生の時点で比べれば、2年先輩の牧(秀悟内野手・現DeNA)より上ではないかと思います」とまで言ってのけた。
プロ2年目の今季、3冠王も夢ではない成績をマークしている牧以上と聞くと、俄然、期待値は大きくなる。苑田氏は「内野手と外野手という違いはありますが、牧君は大学時代、守備に課題があり、足も速い方ではなかった。他のことを差し置いても打てる選手を揃えるDeNAのカラーに合っていたのではないでしょうか。森下君は肩が強く、足も速いですよ」と説明。森下はこの日、7月にオランダで開催される「第30回ハーレムベースボールウィーク」の侍ジャパン大学日本代表にも選出された。
一方、東洋大は6点リードの9回、最速156キロ右腕の羽田野温生投手(4年)をマウンドへ送った。ところが、苑田氏が「調子が悪いのか、ブルペンでもストライクが入っていなかった」と心配した通り、先頭から連打を浴びた上、暴投で二塁走者を一気に生還させてしまう。さらに2死三塁から北村に左前適時打を浴び、イニングを全うできずに降板した。