素振りや一塁への全力疾走は「無駄」なのか? 野球塾開講の元巨人打者が鳴らす警鐘

野球塾を開講した元巨人・石井義人氏【写真:本人提供】
野球塾を開講した元巨人・石井義人氏【写真:本人提供】

横浜、西武、巨人で活躍した石井義人氏が地元で野球少年育成へ

 西武、巨人などで活躍した石井義人氏が、埼玉で野球教室「ジャッキー33野球教室」をこのたび開講した。小学校5、6年生が対象で約120分のレッスンを行う。埼玉・浦和学院の1年生の夏から甲子園に出場。プロでも芸術的なバッティングを披露してきた石井氏が今の野球界、子どもたちに伝えたいことは「目標を決めること」。そして「無駄を無駄と思わないでほしい」ということだった。

 天性の打撃センスを持つ石井氏のレッスンは少人数制だ。対話を重視して行っていく。幼少の頃、厳しい父からのマンツーマン指導が日課だった。1日300スイングは当たり前。それを強要することはないが「やっぱり『上手くなりたい』と自分が思わなければ、こちらもうまくできないと思います。会話をした中で覚えていくことは、たくさんあるんですよね」。SNSや動画からだけではなく、直接、言葉のやりとりの中から、自分で考える力を持ってもらいたいと願い、指導をしている。

 生徒たちにはまず「自分の目標は何?」と聞く。それが大きな夢であっても構わない。否定することなく、そのために「どうしていこうか」というところからのスタートになる。

「プロ野球選手になりたいのなら、自分の経験から何が必要かを伝えますよね。スカウトがどういうところを見るのかと言ったら、人間性や態度です。高校だってそうです。態度の悪い人間は高いレベルにはいけません。素質があったとしてもダメですし、プロになれたとしても短い期間で終わってします。そういうところからしっかりと伝えられればと思います」

 野球技術以上に大切なことを教えながら、子どもたちと接していく。自分自身の頃とは、少年野球の世界が変わっていることを実感している。そこには自分たちがやっていたプロ野球も少なからず影響しているのではないかと危惧している

試合でヒットを打てばいい…というわけではない

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