素振りや一塁への全力疾走は「無駄」なのか? 野球塾開講の元巨人打者が鳴らす警鐘

試合でヒットを打てばいい…というわけではない

「申告敬遠の導入も試合時間削減という意図は理解できます。ただ、子どもたちにきちんと説明をしないと、ただ無駄を省くというようにも見えてしまう。ひとつひとつに意味がある。無駄を無駄と思わないでほしい。無駄なことはないということを教えていかないといけない。そこは難しいですよね」

 素振りの数や一塁までの全力疾走……。当たり前のことでも、それをやることの意味を知らず、プレーを怠る少年野球の現場もある。なぜ素振りが必要なのか、なぜ一塁までの全力疾走が必要なのか。石井氏は子どもたちに説明していく。

「試合でいいヒットを打ったとしても、素振りを見てスイングがきちんとできていなければいけない。(結果としての)ヒットが良いのではなく、スイングが良くならないといけない。見ただけの情報ではないところを教えて、伸ばしていってあげたいです」

 無駄だと思うことが必ず自分のプラスになって返ってくる。天性のバットマンの指導から、未来の強打者が生まれる日がやってくるかもしれない。

○石井義人(いしい・よしひと)1978年7月12日生まれ、埼玉県出身。浦和学院高(埼玉)では1年夏から甲子園に出場。1996年のドラフト4位で横浜(現DeNA)入り。02年に西武へ移籍。05年は規定打席に到達し、打率3割1分2厘、リーグ4位の成績。12年から巨人でプレーし、同年CS最終ステージでMVP。現役引退後はルートインBCリーグ武蔵の打撃コーチ、女子プロ野球の野手総合コーチとして活動。昨年は学生野球資格回復。「ジャッキー33野球教室」の詳細は公式インスタグラム@jackie___335(jackieの後はアンダーバー3つ)にて。

(Full-Count編集部)

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