わずか1勝でもデータでは“月間MVP” 燕村上は異次元の高数値…セの6月振り返る
独走態勢に入ったヤクルト、セイバー目線で6月を分析
セ・パ交流戦、リーグ戦とヤクルトの強さが際立った6月。そんな1か月の「月間MVP」をセイバーメトリクスの指標で選出してみる。選出基準は打者の場合、得点圏打率や猛打賞回数なども加味されるが、基本はNPB公式記録が用いられる。ただ、打点や勝利数といった公式記録は、セイバーメトリクスでは個人の能力を如実に反映する指標と扱わない。そのため、セイバーメトリクス的にどれだけ個人の選手がチームに貢献したかを示す指標で選べば、公式に発表されるMVPとは異なる選手が選ばれることもある。
まずは、6月のセ・リーグ6球団の月間成績を振り返る。
○ヤクルト 19勝4敗
打率.295 OPS.857 39本塁打
先発防御率3.28 QS率47.8% 救援防御率3.61
○阪神 14勝8敗1分
打率.276 OPS.704 13本塁打
先発防御率3.92 QS率43.5% 救援防御率1.64
○DeNA 11勝12敗
打率.256 OPS.681 18本塁打
先発防御率3.93 QS率26.1% 救援防御率2.23
○巨人 9勝13敗
打率.264 OPS.761 29本塁打
先発防御率4.35 QS率36.4% 救援防御率5.94
○広島 8勝14敗1分
打率.256 OPS.654 13本塁打
先発防御率3.70 QS率47.8% 救援防御率4.26
○中日 7勝15敗
打率.255 OPS.632 6本塁打
先発防御率4.24 QS率50.0% 救援防御率4.50
ヤクルトは5月の貯金9に引き続き、6月は月間15の貯金に成功。特に月間打率、OPS、本塁打数が群を抜いており、圧倒的な得点力を見せつけた。投手力は安定していたものの、打線の援護がなく序盤苦しんでいた阪神は、6月の月間打率.276、OPS.704と大幅に改善し、6つの貯金を稼いだ。ここでは、セイバーメトリクスの指標による6月の月間MVP選出を試みる。