0-82で大敗のチームを支えた“元不登校”主将 最後の夏も笑顔で切り替えられるワケ
野球は“引退”も…「次は軽音です!」
「体力はないほうなので。声を出すと力がでる。楽しくできたので良かったです」
田村監督によると、わせがくの約9割の生徒が元不登校児だという。「自分も不登校でした」と明かす前田は、今やチームをまとめるムードメーカーになっていた。「こんな選手たちの様子を見たら学校の先生は驚くと思います」と田村監督は感慨に浸る。前田も「いい経験だった。きっと何事にも最後まで取り組むことができるようになると思います」。結果は振るわなくても、確かな成長がそこにはあった。
最後の夏の“野球”はこれで終了。「次は軽音です」と気持ちもすでに切り替わっていた。「自分、作曲した曲があるんですよ。宣伝してくれますか?」と記者に“異例のお願い”も。高校野球は終わっても、14人で白球を追った3時間13分は、一生のものになる。
(川村虎大 / Kodai Kawamura)