ディズニーランドに行ってもOK 全国常連の強豪少年野球チームが休みを推奨する理由

理由を濁さず「何でも話せる雰囲気作り」が怪我防止にも効果

 少年野球では痛みや違和感を口にできず、重大な怪我につながる選手は少なくない。出場機会を失ったり、指導者に怒られたりする不安から正直に話せないためだ。

「うちのチームは、子どもも保護者も少しでもいつもと違う感覚があると、遠慮なく指導者に報告してくれます。どんなに理にかなった投げ方をしていても、全力で投げ続けたら人間の体は故障します。大事に至る前に、わずかでも異変があればストップする必要があります。体を休めた後は試合にも出られますし、チームに居づらくなることもありません」

 もちろん、辻監督をはじめとする指導者たちは選手に異変がないか日々、目を配っている。ほとんどが子どもたちから報告を受ける前に、疲労や違和感を見抜いている。

「子どもたちの動きや仕草を見れば、ストップをかけるタイミングは分かります。以前、腰が痛いという子どもを保護者が病院に連れて行きました。『レントゲンを取ったら異常ありませんでした』と報告を受けましたが、私は違う病院に行ってMRIを取るように伝えました。MRIの結果、疲労骨折の兆候が見られると診断されました。子どもがチーム練習の内容で腰を痛めることはありません。コロナの自粛期間に自宅で素振りをし過ぎたそうです。素振りは、やり方を間違えると腰を痛める原因になってしまいます。指導者が選手の怪我を予防するには休養を設けるだけではなく、日々の観察と何でも口に出せる雰囲気作りが必要だと思います」

(間淳 / Jun Aida)

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