ポニーが全国大会で採用した“レンタル制度” コロナ禍で出場困難なチームに救済策
試合中に人数が足りなくなったチームに“再出場”を許可した試合も
コロナだけではなく、試合中にも選手を思った柔軟な対応があった。24日に江戸川区球場で行われたポニー博多南シャークスとポニー福岡スーパースターズの2回戦。 4回に二塁を守っていた福岡の鵜野葵くんが右翼手と接触し肩を負傷した。その時点で、福岡は控えの選手は使い切ってしまい、リエントリー(先発した選手に限り、一度ベンチに下がっても同じ打順で再出場できるルール)できる選手もいなかった。
治療が必要だったため、那須氏は博多の野中慎司監督に「鵜野選手が戻るまで、既に交代している選手を特別に再出場させてもいいか」と提案。野中監督が快諾し、試合は続行された。
通常だったら、試合続行できない時点で博多が勝利になる。にもかかわらず、ルールブックにもない“臨時守備”を認めたのは「ポニーならではだと思います」と野中監督は話す。続けて許可した理由を明かした。
「もちろん全国大会である以上勝ちを目指します。ただ、全国大会だからこそ、相手チームにも変な形で試合を終わらせたくないという気持ちがありました」
博多も選手数人がコロナに感染し、大会に参加できなかった。出場できる人数はいたためレンタル制度を利用しなかったが「元気な選手だけでも最後までやらせてあげたい」。その思いは敵味方関係なかった。
(川村虎大 / Kodai Kawamura)