都市対抗3冠王は天真爛漫19歳 元ヤクルト度会Jr.が見せた“スターの資質”
「僕以上にお父さん、お母さん、おばあちゃんが飛び跳ねている」
今大会5試合で4本塁打を放ち、21打数9安打11打点、打率.429。最初は「6番・右翼」で先発し、準々決勝以降の3試合は5番に昇格した。父は元ヤクルト内野手で、現在東京ヤクルトスワローズベースボールアカデミーのヘッドコーチを務める博文氏。兄の基輝(もとき)内野手も、千葉・中央学院大で昨年の明治神宮大会・大学の部優勝、現在JPアセット証券野球部に所属するという野球一家だ。
「僕以上にお父さん、お母さん、おばあちゃんが飛び跳ねているのではないか」と度会。いやいや、度会は今大会で本塁打を放つたびに、まるでスキップするかのようにダイヤモンドを回り、三塁コーチとタッチを交わす際には、必ずジャンプしていた。飛び跳ねているのは自分だろう──とツッコミを入れたくなる。「お父さんは毎日、LINEで『お前ならできる』や『信じてる』とメッセージをくれました。感謝しています」とも話した。
横浜高時代に通算24本塁打を放ち、プロ志望届を提出するも、指名されなかった。それでも社会人野球随一の名門でメキメキ成長しており、しかもこの明るいキャラクターは間違いなくプロ向きで、スターの資質がある。個人タイトル3冠奪取にも「絶対優勝する、それ以外のことは頭にありませんでした。賞をいただいたのは、優勝したご褒美だと思います」と清々しい。舞台がどこであれ、ずっと見続けていきたいプレーヤーだ。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)