家族も話題を避けた大阪桐蔭戦で一発含む4安打 旭川大高・藤田が叶えた“父の夢”

父・浩二さんは旭川龍谷で87年選抜出場「抜かされちゃいました」

 三塁アルプス席からは父の浩二さん、母の千晴さん、兄の魁人さんが見守っていた。浩二さんは、旭川龍谷の二塁手として1987年の選抜に出場。初戦で広島商に1-4で敗れ、自身も無安打に終わった。同じ舞台で2ランを含む4安打と躍動する息子の姿に「できすぎですね。抜かされちゃいました」と嬉しさをにじませた。

 3日に行われた抽選会で、初戦の相手が大阪桐蔭に決まった。家族は、甲子園に出場する息子に喜びを感じていたが複雑な思いもあった。「大輝が(大阪桐蔭について)話をしなかったので、こちらもプレッシャーになるかなと話しませんでした」と浩二さん。千晴さんも「1点を取るのが願いでした」と語った。

 そんな家族の心配とは裏腹に「今までやってきたことを最大限出そう」という端場雅治監督の言葉のもと、チームは一致団結。10安打を放ち互角の戦いを演じて甲子園を沸かせた。父が成し遂げられなかった甲子園での安打を、大阪桐蔭相手に一発を含む4安打という形で成し遂げた藤田。最高の“親孝行”をし、胸を張って聖地を去った。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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