速球全盛の時代に輝いた“最速116キロ”の直球 甲子園で示した奪三振ゼロの投球術
アンダースローへの転向は「とても良かったと思っている」
筋力トレーニング、理にかなったフォームなどで高校球児が140キロ、150キロを出すのが当たり前になっている。そんな“速球時代”のなかでも、緩急と制球力で勝負する技巧派が甲子園の舞台でも十分通用することを証明した。
今夏は2試合で11回2/3を投げ10安打7失点(自責5)、奪三振と被本塁打は「0」。剛速球、豪快なアーチも魅力だが、打たせて取る投球術も立派な武器の一つ。小野涼、自身も「(アンダースローに転向して)とても良かったと思っている」と、誇りを胸にマウンドに上がっていたことを口にしていた。
「1年間、これまで以上に全力で練習に取り組みたい。絶対にここ(甲子園)に戻ってきたい。来年はスピードもある程度求めて、その中でもコントロールをもっと磨いていきたい」
大舞台で得た経験は今後にきっと生きてくる。身長166センチの“小さなエース”は再び聖地に戻ってくるはずだ。
(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)