速球全盛の時代に輝いた“最速116キロ”の直球 甲子園で示した奪三振ゼロの投球術

明豊戦に先発した一関学院・小野涼介【写真:共同通信社】
明豊戦に先発した一関学院・小野涼介【写真:共同通信社】

今夏は2試合で11回2/3を投げ10安打7失点(自責5)、奪三振と被本塁打は「0」

 第104回全国高校野球選手権大会は12日、大会第7日目の第1試合で一関学院(岩手)が明豊(大分)に5-7で逆転負け。初の夏2勝は逃したが1、2年生の投手陣が貴重な経験を得たのは大きかった。なかでも、右下手投げの小野涼介投手(2年)は120キロに満たない“遅球”を武器に打者を手玉に取った。

 試合には敗れたが甲子園の地で2年生アンダースローは存在感を見せた。最速116キロながら浮き上がる直球、スライダーを武器に明豊打線を3回まで無失点。3点リードの4回は四球と味方の失策で無死一、三塁となり、一ゴロの間に1失点。1死一塁となり8番・西村元希外野手(2年)を左飛に打ち取ったところで降板となった。

 3回2/3を投げ2安打、5四死球と制球を乱す場面もあったが2失点(自責0)。初戦の京都国際戦でも先発のマウンドに上がり8回途中8安打5失点の力投。プロ注目の4番でエース・森下瑠大投手(3年)を擁する優勝候補を相手に堂々たる投球を見せていた。

 今年5月から下手投げに転向した右腕は試合後に「ボールが先行して四球が多く、テンポを崩してしまった。内角をいつもよりあまり投げきれていなかった」と反省を口にしたが、強豪相手に堂々たる投球だった。

アンダースローへの転向は「とても良かったと思っている」

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