少年野球でも導入進む“指導者ライセンス”の意味 サッカー界の名将が語るメリット
小学生のチームにもライセンス持つ指導者 周囲への波及効果も
小学生サッカーチームの指導者は大半がボランティアで、いわゆる“パパコーチ”だ。それでも、B級やC級ライセンスを持っている人が少なくないという。小学生の指導者にライセンス所持は義務ではないが、チームを登録する際に、各チームにC級ライセンス取得者が少なくとも1人所属といった条件が設けられる場合もある。
明大サッカー部の栗田大輔監督は、ライセンス制度の良さを次のように考えている。栗田監督は2019年に大学の主要大会で史上初の5冠にチームを導くなど、2015年に指揮官となってからこれまでに10以上のタイトルを獲得。ドイツのクラブでプレーする室屋成選手ら60人以上をプロへ送り出している。
「ライセンス制度の良さは、サッカーや指導法について勉強する場があること。そして、ライセンスを持った指導者がいると、周りも刺激になり自分も勉強しようというマインドになるのは大きいと思います」
取得にはサッカーの知識だけでなく、暴力を根絶する指導論や、医学、栄養、社会学といった幅広い内容を学ぶ必要がある。さらに指導講習会などを定期的に受けなければ、ライセンスは剥奪される。
サッカー界ではライセンスを持つ指導者が、自身の経験と勉強で身に付けた知識を組み合わせて選手を育成している。型にはまった指導者ばかりになると誤解されがちだが、栗田監督は「基本を身に付けた上で、それぞれの指導者の考え方や戦術が表れ、上のカテゴリーにいくほど独自性が求められます。指導者を育成する仕組みが構築されているので、根拠のない自分勝手な知識や判断で子どもたちを教えることは減っていると思います」と語る。
少年野球でも動き出した指導者の資格制度。子どもたちの未来に影響する大切な改革となる。
(間淳 / Jun Aida)
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