準決勝はともに劇的幕切れ ジャイアンツカップ決勝は取手リトルシニアvs京葉ボーイズ
京葉ボーイズはフレッシュ佐賀フィールドナインに逆転サヨナラ勝利
2試合とも劇的な幕切れとなった。中学硬式の日本一を決める第16回全日本中学野球選手権大会「ジャイアンツカップ」(大会会長・長嶋茂雄巨人終身名誉監督)は19日、東京・町田市の小野路球場で準決勝2試合が行われた。京葉ボーイズ(千葉)はフレッシュ佐賀フィールドナイン(佐賀)に4-3で勝利。取手リトルシニア(茨城)は札幌新琴似リトルシニア(北海道)を5-4で下した。2試合ともサヨナラで決着する熱戦に。決勝は、翌20日に東京ドームで行われる。
苦しい展開にも、チャンスはあると逆転のイメージを膨らませていた。フレッシュ佐賀フィールドナインと対戦した京葉ボーイズは6回に1点を失い、リードを3点に広げられた。残る攻撃は2回。それでも、関口勝己監督は「相手投手が良かった。こちらの投手が3、4点に失点を抑えてもらって、終盤に打者が頑張ってくれれば」と考えていた。
3点を追う6回、死球と安打で1死一、二塁のチャンスをつくる。そして、6番・山下誠健外野手(3年)が中堅を越す適時二塁打。2人が生還して1点差に迫った。
直後の7回の守備では、この回から登板した3番手・田中俐希投手(3年)が3者凡退に抑え、流れをつくる。盛り上がるベンチ。1点負けている雰囲気はない。先頭の代打・松原若嗣外野手(3年)が右前打。代走・花澤莞爾外野手(3年)が続く打者の初球に盗塁を決めると、その後の安打と申告敬遠で無死満塁とチャンスを広げた。
打席には、3番・矢口隼大捕手(3年)。カウント1ボール2ストライクと追い込まれてから、フルカウントまで粘った8球目。右翼へ飛球を上げる。同点の犠飛。さらに、右翼手から本塁への送球が逸れる間に、二塁走者もホームを踏んで逆転サヨナラ。矢口捕手は「試合終盤はベンチの声がとてもよく出ていて、こういった流れに繋がったのかなと思います。三振は絶対しないで自分が決めるんだという意識でした」と喜んだ。
関口監督も「いい場面でチャンスに強い矢口に回ってきた。いい流れが来ていたと思います。6、7回はうちの野球ができました」と納得の表情。サヨナラを呼び込む好投を見せた田中投手についても「3人で抑えて来いよといったら本当に抑えてきました」と称えた。