中学時代は「練習は好きではなかった」 プロ注目、星稜エースに恩師が感じた覚悟
知名さんは不安も…感じた覚悟「全国で戦いたいという思いが芽生えた」
当時、知名さんは不安だったという。「『やっていけるかな』って思いました。島を出て親元を離れるので」。それでも「星稜に行きます」と語ったマーガードに“覚悟”も感じられた。
「U-15で外のレベルを経験して、自分でも全国で戦いたいという思いが芽生えたんだと思います」
マーガードは2年時から背番号「1」を背負った。2021年の夏は新型コロナウイルスの影響で石川大会を辞退したが、今春の選抜でベスト8に進出。昨夏叶わなかった選手権大会にも出場した。初戦で愛工大名電(愛知)に1回2/3を7安打9失点と打ち込まれて敗れたが、プロも注目する投手に成長した。
昨冬、帰省したマーガードを見て、知名さんの心配は杞憂に終わった。身長は大きく変わっていなかったが、体つきが違った。「しっかりトレーニングしているんだろうなという体つきでした」。マーガードも「知名さんの言っていたことが今になって分かりました。もっと投げ込んでおけばよかったです」と話したという。
最後の夏を終えたマーガード。進路は明言はしなかった。それでも、知名さんは「日本を代表する投手になれます。(最速は)140ちょっとでしょう? もっと投げられないと」。厳しい言葉の裏には期待と愛情が込められていた。
(川村虎大 / Kodai Kawamura)