キャッチボールもティー打撃も5種類以上 短時間練習掲げる少年野球チームの工夫

石川監督「選手の引き出しを増やすために練習メニューを試行錯誤」

 キャッチボールは時間だけ見れば、他のチームと変わらない。ただ、片足立ちで投げたり、片膝をついて投げたり、メニューは豊富。実戦では投げやすい体勢から送球する機会は少ない。キャッチボールでは肩を温める、正確に投げることに加えて、体勢が崩れてもボールをコントロールする体の使い方を練習している。

 JSBB公認学童コーチの資格を持つ石川誠監督は「選手の引き出しを増やすために、練習メニューを試行錯誤しています。小学生のうちは狙いが分からなくても、中学、高校と先のステージに進んだ時に役立てばと思っています」と狙いを説明する。

 ティー打撃も7種類のメニューがある。正面からのトスを打ち返す通常の方法の他に、右打者なら左手を上にして“逆手”でバットを握ってスイングしたり、片手でバットを振ったり、ワンバウンドの投球を打ち返したりする。“逆手打ち”はヘッドが走る感覚を身に付け、ワンバウンドへの対応は間をつくる目的があるという。

 ノックではジャンピングスローや右利きの選手が右足を前に出した捕球も練習する。選手のプレーの幅を広げるためだ。石川監督は「子どもたちに強制はしません。自分に合ったやり方を見つけてもらいたいと考えています。他のチームより練習時間が短い中でも選手が技術を身に付けて、試合でも勝てるチームを目指しています」と語る。限られた時間で最大の効果を生む練習方法を模索している。

(間淳 / Jun Aida)

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