イチロー氏「想像できなかった」「終わり方凄く大事」 40分間の会見で語った全て

日米の違い…サヨナラした後「1回くらい振り返れよ」

――日本人として日本から来て合わせてほしい考え、逆に日本に持って帰りたい米国の考え方は。
「アメリカの人って、ご飯食べに行ってまた明日ってするときに2度と振り返らないんですよ、サヨナラしたら。日本人って、みんなそうとは言わないけど、多くの人が最後見えなくなるまで見送る。で最後、もう1回振り振り返ってお辞儀をする。そういう文化が僕は大好きで『1回くらい振り返れよ』って思うね。それはよく思います。ただ文化、習慣の違いがあるからいいとか悪いとかじゃないけど、僕はそれが好きです」

「アメリカの文化で日本に持ち帰りたいもの……なんでしょうね。どこに行っても生きていけるメンタリティは持っていそうな雰囲気ですね。確証はないんですけど、それこそシーズン最後の試合、162試合目で終わったとして、もう一生会わない人たちもたくさんいる。それを自然に受け入れているんですよね。僕はまたどっかで会えるかなとか、会いたいなと思ってしまうんですけど、彼らはそういう気もなさそうですね。またどこかで会ったらお互いに喜ぶんだけど、その瞬間は、一生会えないかもしれないけどそれが生きていくことだと認めているというか。僕の個人的な感覚ですけど、それは強いなと思うんですよ。そのメンタリティは羨ましいなと思いますね」

――チーム状態が悪い時も自分のやることに徹し、誤解を受けたこともあったが言い訳もせずにプレーし、こういう日を迎えた。
「心が折れそうなとき、何度もありますよ。そこで踏ん張ってよかったと思います。そこで負けるのはあり得ないですよね。そこと向き合わないという選択肢は僕の中には……。まあ大変だったけど、ダメなものはダメ、いいものはいいと言ってしまう性格なので、チーム内でも当然いろいろありました。その時期のことをおっしゃっていたと思いますけど、でも時間が経った時に、あそこで負けちゃったなという後悔はしたくないですからね。あの時はすごく孤独でしたけど、向き合って良かったと思います」

――チーム状態がよくないとき、成績が出ている選手はいいチームでプレーするべきという外部の声が出るが、それに対する考え方は。
「見ている人はその方が楽しいでしょうし、何か変化があった方がって望む人が多いじゃないですか。でもそれに振り回されるわけにはいかないですからね。今ある状態、ルール上ある状態の中でやるというのが当然だと思いますけど」

――以前、野球の研究者でいたいと言っていた。見る角度が変わって新しい発見は。
「無理すると体はぶっ壊れるということですね。それが現役のときはできなかったから。無理する一歩手前でやめてましたからね、だから大きな怪我がなかったわけですけど。これあと一歩いったらどうなるんだろうって今できちゃうので、でもそれやるとぶっ壊れます。というのが今回よく分かりました。経験しました。大変です。これ選手でやっていたらあと1年プレーできないですからね」

「だから自分が現役時代に『ここで止めなきゃ』というセンスを持っていたことが、それがなかったら今日もないと思うんですよね。だからやっぱり現役の選手たちはそれを壊す人たちがほとんどなので、それは持っていてほしいと思います」

日本人野手が「各チームに最低1人ずつって当時思ってましたけど」

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY