大谷翔平と“同じユニホーム”が原動力 創部3年で全国準V・花巻東女子が見せた真髄
自らが書いた『強気』の言葉が記されたボードを持ちながら、声を張り上げる選手の姿も
チームが一つとなって勝ち進んだ。ベンチでは、自らが書いた『強気』の言葉が記されたボードを持ちながら、声を張り上げる選手の姿も。決勝の7回裏に代走で出場した藤巻果伶來選手だ。武藤咲夢主将は「元気と笑顔をモットーにしたチーム。元気だけは日本一を獲れたと思う」と言い切る。
2020年4月に13人でスタートした花巻東女子硬式野球部は、今では1年生25人、2年生36人の大所帯だ。同校OBの菊池雄星(ブルージェイズ)、大谷翔平(エンゼルス)も着た「花東ユニホーム」に憧れて、岩手県内はもちろん全国各地から入部する。指揮官が言葉に力を込める。
「学校関係者の方々、そして花巻市、岩手県、さらに東北の方々など、みなさんのサポートや励ましの言葉をいただきながら、決勝まで進むことができました。ただ、まだまだ全国で準優勝した経験を持つ男子野球部を越えられるようなチームではない。切磋琢磨して、日本一を獲れるようなチームを作っていきたい」
これで終わりではない。さらに守備力を鍛え上げ、チャンスでの一打を求めながら、来年の春の選抜大会、そして夏の選手権大会に向かって「今この瞬間から新しい戦いが始まっている」という三鬼監督の下、花巻東は悲願の日本一へ向けて再出発を誓う。
(佐々木亨 / Toru Sasaki)