野球人口減少に歯止めを NPBが10年以上活動…「ベースボール型」授業の存在と成果

教師向けの研修も実施、元プロ選手が参加することも

 競技特性である「間」を生かせば、子どもたちの考える力や社会性が養われる。攻守交代のイニング間などの時間を有意義に使うことができれば、教育にも生かされる。プロ野球選手や教育に関わる大学教授ら専門家の意見を取り入れ、野球未経験の教師でも指導方法や授業に取り入れる必要性を感じられる内容にこだわった。

 NPB野球振興室の平田稔室長は「野球には間があるので、課題を話し合って次に生かすことができます。野球をやっていない子でも気付いたことを発言する機会があり、先生からは『ホームルームでも子どもたちの発言が多くなった』と聞いています。教育の現場でも役立ったと聞くと非常にうれしく感じています」と語る。

 教材配布の他に、教師向けの研修も実施している。大規模な研修会では、野球教室などで講師をしている元プロ野球選手と子どもたちを招き、実際に指導する様子を見て、学ぶ機会を設けている。中でも、大事にしているのは「参加した教師に楽しんでもらうこと」。元プロ野球選手が教師の質問に答えたり、直接指導したりするだけではなく、一緒に試合をする。今では12球団がアカデミーコーチや球団職員らを派遣して、協力してベースボール型種目の普及・振興に取り組んでいる。平田室長は、研修会の目的を次のように説明する。

「未経験の先生は素直なので上達が早いです。試合をすると、子どもたち以上に楽しんでいます。先生方が研修を楽しんで、授業につなげてもらえるよう心掛けています」

ベースボール型授業は77年から21年間姿を消し、10年まで選択式だった

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