残り試合“ほぼ全敗”でも「山川のせいでない」 大不振の主砲に辻監督がかけた言葉
抱えるジレンマ「いい状態を求めすぎると、また狂い出すと思う」
かつて“山賊打線”の異名を取った西武打線は今季、リーグ5位のチーム打率.230が示す通り、全体的に振るわない。その中で山川は1人で気を吐いてきた。特にシーズン前半は3冠王の可能性すら取り沙汰されたほどで、今も本塁打と打点ではリーグトップの座を保持している。
9月唯一の安打は、6日のロッテ戦で石川から放った38号ソロだ。その時も山川は「(シーズン前半の)バンバン打てていた時期は、まだ体も元気でした。今そこまでの状態を求めすぎると、また狂い出すと思う。1日1日、できることをやっていって、打てたら一番いいですけど、打てなくても、この時期は勝てばいいかなというところです」と覚悟を決めたような口調で話していた。
優勝争いの佳境で不振に陥った現状は、山川自身が一番歯がゆく感じているはず。それでも、監督がこうして変わらぬ信頼を示してくれると、救われるところがあるのではないだろうか。意気に感じる山川のバットに、改めて注目したい。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)