高校から投手を始めた元楽天ドラ1 少年野球の子どもにも勧める上達法とは

「まねから入る練習方法が一番いい」自身は近鉄・岩隈を“コピー”

 最初は岩隈さんの“完全再現”を目指して、二段モーションを取り入れた。ただ、高校野球では禁止されていたため、踏み出す左足を上げた時に一度止めてから投げるように修正。それでも感覚が合わず、一連の動きで左足を踏み出すフォームに落ち着いた。一方で、プレートを蹴る時の右足やグラブの使い方などは、岩隈さんを手本にした。

 戸村さんには投手というポジションも、岩隈さんを参考にしたフォームも適していた。当時は球速表示のある球場でプレーする機会はなかったが、雑誌で最速145キロ右腕と注目される投手になった。投手転向がプロ野球選手への道をつくり、今も野球に携わる人生を歩むターニングポイントだった。

 2019年に現役引退後はチーム運営を経て、今年度からは楽天アカデミーでコーチを務めている。小学生の子どもたちに勧めているのが「まね」。戸村さんは「今でも変わらず、まねから入る練習方法が一番いいと思っています」と強調する。

 成功している選手には必ず理由があり、参考になる要素がある。好きな選手を教材にするのは楽しさやモチベーションにもつながり、自分に合った形を模索する時間は考える力を育てる。「まね」には野球上達のきっかけが詰まっている。

(間淳 / Jun Aida)

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