近年は“絶滅危惧種”のアンダースロー 2桁勝利で歴史をつないだ名投手を振り返る
西武・與座が今季大ブレーク…希少価値の投球フォーム
150キロを超える剛速球を武器とする速球派の投手が増える一方で、近年のプロ野球ではすっかり見かけなくなってしまったのがアンダースロー(サブマリン)の投手だ。しかし今シーズンは、西武の與座海人投手が10勝を挙げ、ブレークを果たした。今回は、2000年以降のパ・リーグで2桁勝利を達成し、記録にも記憶にも残る活躍を見せた希少なアンダースローの投手たちを紹介する。
○西武・與座海人(2022年)
今季は2年ぶりに開幕ローテーション入りを果たすと、開幕直後こそ打ち込まれたが、2軍調整を経て再び1軍へ昇格する。4月28日のソフトバンク戦では、3回2/3を1失点の好リリーフで今季初勝利をマークすると、5月には3先発で防御率0.45と驚異的な活躍を見せ、先発として1軍定着に成功。7月30日のソフトバンク戦ではプロ初完投・完封を記録するなど、チーム2位タイの10勝を挙げ、Aクラス入りに大きく貢献した。
【2022年】20試合 10勝7敗 115.2回 61奪三振 防御率2.88 WHIP1.04
○ソフトバンク・高橋礼(2019年)
アンダースローながら最速146キロの速球を武器とする、本格派の長身右腕。1年目からポストシーズンで先発を果たし、大きな期待を集めて迎えた2年目の2019年、開幕ローテーション入りすると、3月31日の西武戦で6回1失点の好投を見せ、プロ初勝利をマークした。
開幕5連勝を達成し、初の球宴出場も果たすと、8月13日の楽天戦で10勝目を挙げた。最終的に12勝を記録し、巨人との日本シリーズでは第2戦で7回無失点の快投を披露するなど、充実したシーズンとなった高橋投手。オフには、新人王とスピードアップ賞を受賞した。
【2019年】23試合 12勝6敗 143回 73奪三振 防御率3.34 WHIP1.14