最下位・中日に“希望の光” 村上宗隆を上回った若手&主砲…セイバー目線の9月MVP
8月の絶不調からシーズン最終盤に復活したビシエド
ここでは、セイバーメトリクスの指標による9月以降の月間MVP選出を試みる。
セ・リーグ打者部門打者評価として、平均的な打者が同じ打席数に立ったと仮定した場合よりもどれだけその選手が得点を増やしたかを示すwRAAを用いる。今月のwRAAトップ5は以下の選手である。
ビシエド(中日)wRAA 8.70 打率.367 OPS .946 36安打* 本塁打 3
西川龍馬(広島)wRAA 7.39 打率.377* OPS .961 29安打 本塁打 1
岡本和真(巨人)wRAA 7.34 打率.307 OPS .976* 23安打 本塁打 5
岡林勇希(中日)wRAA 5.87 打率.306 OPS .790 33安打 本塁打 0
村上宗隆(ヤクルト)wRAA 4.55 打率.221 OPS .840 19安打 本塁打 7
(*は今月のリーグトップ)
今月のセ・リーグでは、中日の2人の打者の活躍が目立った。岡林は7月以降、月間打率3割以上をキープ。1番打者を多く務めたことで打席数、安打数を稼ぎ、リーグ最多安打のタイトルを獲得するに至った。なお、本塁打0の最多安打獲得は、1994年のタイトル制定以降初である。そして今月最も高いwRAAを記録したのはビシエドである。8月は打率.241、OPS.618、本塁打0と絶不調に陥り、それに伴ってチームも沈んでいった形になった。しかし9月以降は主軸として岡林、大島、阿部で作ったチャンスを確実に点に結びつけ、打点15は中田翔に次いで2位となった。
シーズンを通じて、中日の4番を多く務めてきた功労者たるビシエドを9月、10月の月間MVPに推薦する。