オリックスの大逆転V実現させた“2人の立役者” セイバー目線で選ぶ月間MVPは?

打撃部門もオリックスの主砲が“断トツ”の活躍

 打者の評価としては、平均的な打者が同じ打席数に立ったと仮定した場合より、どれだけその選手が得点を増やしたかを示す「wRAA」を用いる。

吉田正尚(オリックス)wRAA 15.42 打率.416* OPS 1.279* 32安打* 本塁打7
井上晴哉(ロッテ)wRAA 10.59 打率.304 OPS .972 28安打 本塁打 5
柳田悠岐(ソフトバンク)wRAA 9.95 打率.283 OPS .977 26安打 本塁打 8*
近藤健介(日本ハム)wRAA 8.92 打率.308 OPS 1.037 20安打 本塁打 2
浅村栄斗(楽天)wRAA 6.95 打率.253 OPS .841 24安打 本塁打 6

 吉田正尚は9月以降、ヒット、ホームランを量産するなどギアを上げ、首位を走るソフトバンク猛追の強力なけん引役となった。個人記録を見ても、最終的には打率.335とリーグ2位で終わったが、首位打者争いを独走した松本剛(日本ハム)を脅かす存在となった。なおシーズンOPSは、1.008とパ・リーグで唯一の1越えを記録した。

 8月は島内とのデッドヒートで惜しくも月間MVP獲得とはならなかったが、9月以降のパ・リーグでは“断トツ”で吉田正尚をセイバー目線で選出する月間MVPに推薦する。

鳥越規央 プロフィール
統計学者/江戸川大学客員教授
「セイバーメトリクス」(※野球等において、選手データを統計学的見地から客観的に分析し、評価や戦略を立てる際に活用する分析方法)の日本での第一人者。野球の他にも、サッカー、ゴルフなどスポーツ統計学全般の研究を行なっている。また、テレビ番組の監修などエンターテインメント業界でも活躍。JAPAN MENSAの会員。近著に『統計学が見つけた野球の真理』(講談社ブルーバックス)『世の中は奇跡であふれている』(WAVE出版)がある。

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