無意味な“根性練習”は廃止 西武栗山、燕坂口ら輩出…名門ヤングが続ける“変革”

12キロの長距離走を廃止「根性はグラウンドで発揮してくれればいい」

 試合中には技術を追い求める姿も必要だが、チームではメンタル面での強さを求めている。

「なんとなく『おーい!』や「バッターこーい!」という言葉を耳にしますが、それはなくていい。状況に応じて相手が何をしてくるかを考えて口にしなさい。敵チームの作戦を口にすることで、自分たちが次にどんな行動をすればいいか分かってくる。上のレベルに進むにつれて、頭を使った野球も大事になってくる」

 一方で、過去にあった“根性練習”は廃止した。2017年から小林淳監督と共に新体制がスタート。以前は冬場のトレーニングで12キロの長距離走で体力強化を図っていたが「全てが悪いわけではないですが、野球=長距離ランナーじゃない。私も現役の時からあまり意味がないと思ってやっていた。根性を鍛える目的もあるが、それはグラウンドで発揮してくれればいい」と、体幹や瞬発力を鍛える練習に変更した。

 これまで多くのプロ野球選手を輩出してきたが、トップレベルまで上り詰める選手の共通点は「継続力」。小林監督は「来田(現オリックス)は常にバットを振り続けていた。遠征先のホテルでも食事を終えてから、黙々と1時間以上はスイングしていました」と明かす。

 細木代表と小林監督が、子どもたちに伝えていることは至ってシンプルだ。「少ない時間でもいいので毎日、継続することを作って欲しい。大袈裟ですけど、365日真剣にやれば必ず変わる。同じ事を毎日続けることが一番難しい」。神戸ドラゴンズは高校、大学、社会に出ても通用する野球人を育成していく。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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