国が進める「部活動改革」を専門家は危惧 生徒にも影響「学校から活気なくなる」

トレーニングコーチとして約20校の野球部をサポートしている塩多雅矢さん【写真:伊藤賢汰】
トレーニングコーチとして約20校の野球部をサポートしている塩多雅矢さん【写真:伊藤賢汰】

現場知るからこその不安「部活は学校生活の一部だからこそ意義がある」

 部活がなくなっても、野球をやろうと思えばクラブチームで続けられる。ただ、塩多さんは部活が学校生活の一部だからこそ意義があると訴える。

「同じクラスには野球部、ラグビー部、吹奏楽部など様々な部活をしている仲間がいます。部活は話題のひとつになりますし、他の部活の頑張りは刺激になります。学生生活は文武両道とよく言われますが、部活がなくなったら文武の武をどのように表現すればいいのでしょうか」

 部活動改革は、生徒の活力や学校全体の活気を奪う可能性も指摘する。体育祭や文化祭といった行事では、運動部や文化部が中心になってクラスをまとめたり、行事を盛り上げたりする。部活で身に付けたチームワークは、クラスで団結力を高める際にも生きる。塩多さんは「部活がなくなると、生徒同士のつながりが浅くなりますし、学校に活気がなくなってしまいます」と不安を隠せない。

 教員の労働環境は改善する必要がある。ただ、その方法は部活動改革がベストなのか。地域への移行が半年後に迫る中、塩多さんと同じような心配をする学校関係者は少なくない。

(間淳 / Jun Aida)

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