野球は日曜だけ、三段跳びは全国3位 ソフトバンク1位のイヒネ・イツア、恩師も驚いた身体能力

矢幡監督が驚くイヒネの身体能力 体力テストで全国トップ3

 体育の授業などでバレーボールやハンドボールをしても、未経験とは思えない動きを見せた。「どのように動いたらいいかイメージしています」。頭で描いた姿を体現したり、上手い選手のまねをしたりする能力に長けているのは、イヒネの特長であり、野球の上達にも生きている。子どもの頃に複数のスポーツを経験し、自然と動きのバリエーションを身に付けたのかもしれない。

 持ち前のスピードやバネといった身体能力の高さに、高校ではパワーが加わった。矢幡監督が課したフィジカルトレーニングのメニューは、どんどんハードになっていった。入学当初66キロの細身で非力だったイヒネは、急速に成長していく。指揮官は「他の選手の2倍、3倍のスピードで伸びていきました。こんな成長曲線見たことないです」と評する。

 矢幡監督が特に驚くのが、自分の体を思い通りに動かす操作能力と自分の筋力を発揮する筋出力。それを証明する数字もある。重さ5キロのメディシンボールを後ろ向きに投げるテストでは21メートルを記録。全国約200校の選手が参加したテストで2位に入った。

 助走せずに、その場から三段跳びするテストは8.5メートル。最高評価Sの基準となる7.5メートルを軽々と超え、全国3位だった。矢幡監督は「野球はスピード×パワーだと思っています。元々スピードがあったイツアは高校でパワーを強化して、プロのスカウトにも注目される選手になりました。ただ、体はまだでき上がっていません。プロで本格的に鍛えたら、とんでもない選手になると思っています」と期待する。

 ドラフト会議翌日には指名挨拶を受け、永井智浩編成育成本部長兼スカウト部部長と福山龍太郎アマスカウトチーフ、山本省吾アマスカウトチーフ補佐から「世界一のショートになってほしい」と期待を伝えられた。イヒネは「本当に1位が決まったんだなと実感しました。無茶苦茶嬉しいですね」と笑顔を浮かべ、新たな一歩を踏み出した。

(間淳 / Jun Aida)

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