キャッチボールだけで「1~2年後に大きな差」 元中日エースが“精密機械”になったワケ
元中日のエース吉見一起氏 抜群の制球力武器に2度の最多勝
現役時代に2度の最多勝に輝き、制球力の高さから「精密機械」とも呼ばれた元中日の吉見一起さんは意外にも、コントロールの重要性に気付いたのはプロに入ってからだった。少年野球の子どもたちも日々の練習でコントロールを向上させることは可能で、特にキャッチボールが大切だという。
吉見さんは2020年まで中日で15年間プレー。2度の最多勝をはじめ、最優秀防御率やベストナインなど数々の栄誉を手にしている。最大の特徴は制球力。最多勝のタイトルを獲得した2011年は190回2/3を投げて四球を23個しか許していない。8回1/3で1つしか四球を与えない驚異的な数字を残している。
ただ、吉見さんはプロ2年目まで球速を追い求め、コントロールを重要視していなかった。考え方を変えるきっかけは、当時チームメートだった捕手の谷繁元信さんと森繁和投手コーチの言葉だった。
「谷繁さんと森コーチにコントロールの重要性を説かれました。最初はコントロールよりスピードだろうと思っていましたが、1軍のマウンドに立って、自分の球速では超一流の打者を抑えられないと痛感しました。四球が、いかに無駄かも感じました」