トライアウト翌朝に着電「飛び起きた」 恨めなかった宅配便…諦めに変わった3日後
トライアウトでは打者3人に投げて1奪三振、2四球
昨年のトライアウトでは、打者3人に投げて1奪三振、2四球に終わった。受験前から、現役を続けるなら“NPB1本”と公言していたが、独立リーグなどの関係者からの電話もあった。欲してもらえるのはありがたいと思いつつ、その場で丁寧に断りを入れる。可能性はゼロに近くても「1%でもあるなら信じたい」と祈った。
再起は叶わなかった。「3日後くらいになって、次どうしようかなと考え始めました」。当初からNPBか、引退かの二者択一だったため、残った後者を選択。「いい意味で諦めがつきました」と未練はなかった。
はや1年がたち、懐かしむように言う。「あのときは人生の崖っぷちに立っているようでした」。どんなに可能性はわずかでも「毎年1人や2人はNPBに戻れる。受ける側にとっては、ありがたい場ですよね」と、トライアウトの意義を見出す。今年も数多の選手が、生きた心地のしない日々を送ることになる。経験者として、どうしても他人事とは思えない。
(Full-Count編集部)