なぜ貧打なのに主力の長距離砲を放出? 中日で起きる地殻変動…見えてきた“輪郭”

楽天へのトレード移籍が発表された中日・阿部寿樹【写真:荒川祐史】
楽天へのトレード移籍が発表された中日・阿部寿樹【写真:荒川祐史】

12球団ワーストのHR数も…一発打てる阿部をトレード

 6年ぶりの最下位に終わった中日のオフが、賑やかさを増している。大量戦力外に続き、主力の阿部寿樹内野手を交換トレードで楽天へ。貧打が喫緊の課題にありながら、貴重な長距離砲の“放出”に、ファンはざわついた。驚きの移籍によって、立浪和義監督が目指すチームの輪郭がおぼろげながら見えてくる。

 阿部は2015年ドラフト5位でHondaから入団。プロ3年目までは苦しんだが、2019年に129試合に出場して台頭。新型コロナウイルスの感染拡大で短縮シーズンとなった2020年には、チーム2位となる13本塁打を放った。逆方向に強い打球を打てるのが魅力で、今季も133試合に出場し、打率.270、チーム2位の9本塁打57打点をマーク。来季も二塁の主力だと目されていただけに、驚きは大きかった。

 ただ、今季当初を振り返ると、新指揮官が思い描いていた“絵”は違った。当初二塁は高橋周平内野手を起用する腹づもりで、阿部は“長距離砲枠”の左翼を争うひとりだった。オープン戦でバットでの存在感を示し、さらに高橋周が開幕前に離脱。結果的に開幕スタメンで阿部は「6番・二塁」に入り“元サヤ”に。シーズン後半は三塁でも起用された。

立浪監督が重視する二遊間が一新される可能性も

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