子どもの成長を妨げる“近すぎる距離感” 中学野球日本一監督が求める保護者の役割

取手シニアは「日本一遠い」選手と保護者の距離…“放任”で成長

 石崎監督も“過保護”を注意点に挙げる。取手シニアは選手と保護者の距離が「日本一遠い」という。その狙いを「子どもが早く親離れして、保護者も子離れする方が子どもにとって良い面が多いと思います」と説明する。

 石崎監督は保護者に対して「子どもが欲するまで手を差し伸べないのも1つの方法」とアドバイスする。子どもが忘れた帽子やベルトをこっそり届けに来たり、自転車では練習に遅刻しそうな時に車で送迎したりする保護者には「用具を忘れたり、遅刻したりするのは問題ありません」と話す。子どもは失敗を経験して成長し、自立していくからだ。そして、保護者には現実を見る大切さを説く。

「子どもには大きな夢を持たせて、大人は現実を見てほしいと思っています。それが逆転して、大人が夢ばかり追って、子どもが現実を見てしまうケースがあります」

 目標に向かって努力する子どもたちを支えるのが、指導者や保護者といった大人の役割。保護者に熱が入って「うちの子どもは何が何でもプロ野球選手にする」と冷静さを失うと、子どもの成長を妨げてしまう可能性がある。

 子どものためを思った保護者の言動は時に逆効果となる。手を差し伸べるだけがサポートではない。

(Full-Count編集部)

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