「野球=お金持ち」のイメージ払拭 明大前駅から徒歩1分“格安”練習場を作ったワケ

「THE ANCHOR BASE」を立ち上げた並木健さん【写真:間淳】
「THE ANCHOR BASE」を立ち上げた並木健さん【写真:間淳】

「野球をお金持ちのスポーツにしたくない」 収益で次の施設をつくる夢

 施設は交通アクセス抜群の都心にありながら、利用しやすい価格設定になっている。全面を貸切って1時間6000円と、相場の2分の1ほど。チームで利用すれば、1人当たり数百円で収まる。平日は野球教室「BCSベースボールパフォーマンス」に練習場を貸し出すことで安定的な収益を確保し、一般利用の価格を抑えている。

 並木さんは「野球をお金持ちのスポーツにしたくないんです」と話す。他の競技と比べて用具一式をそろえると費用負担が大きい上、練習場所の利用も高くなれば、野球を選ぶ子どもや保護者は減ると懸念する。施設を維持するだけであれば、「もっと安くできますし、無料でもいいと思っているくらいです」と話す。だが、1時間6000円の利用料で得た利益を活用する目的がある。

「東京以外の地域にも室内練習場をつくってほしいという声が多いので、収益を次の施設建設につなげる夢もあります」

 施設名の「ANCHOR BASE」には「希望の基盤」との思いを込めた。「選手をはじめ野球に関わる大人たちも、パフォーマンスアップや怪我の予防、体づくりの大切さを楽しみながら学べる基盤となる場所にしたいと思っています」と並木さん。希望の象徴と言える野球少年・少女を力強く支える。

(間淳 / Jun Aida)

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