土日は練習なし、成長のカギは効率化…20年以上前から“先進的”な少年野球チームの秘密

効率的な練習や体の操作性強化 卒団した85%が高校でも継続

 チームのメンバーは小学1年生から6年生まで70人を超える。選手が待ち時間をつくらないよう、練習は低、中、高学年に分かれる。高学年が打撃に特化した練習を行なった日は、ティー打撃などを同時に5か所で行う。打撃をする選手以外は守備につき、次々と飛んでくる打球を捕る。弾き返すのはテニスボールのため、万が一、体に当たっても怪我につながりにくい。笹木監督は「守備は生きた打球を捕るのが一番の練習になるので、打撃のメニューで守備も同時に鍛えています」と説明する。

 笹木監督は選手のスイングを見ながら、1人1人にアドバイスする。1時間ほど打撃練習をすると日が落ちて打球が見えなくなるため、午後5時頃からは1時間のトレーニングに入る。

 笹木監督は全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会(NESTA)のパーソナルトレーナーなどの資格を持っている。知識と指導技術を最大限に生かし、年代や時期に合わせたメニューを組み立てる。足の速さにかかわらず盗塁の成功率を上げるスタートの切り方や、走塁にも守備にも生きる方向転換。さらに、ダッシュやジャンプを入れた多種多様なトレーニングで小学生世代に必要な体の操作性を磨く。

 体力をつける練習として野球の王道ともいえる長距離走の代わりには、ダッシュとジョギングを順番に繰り返すメニューを取り入れる。キャッチボールは捕球に重点を置き、より実戦に近い動きで体の使い方を覚えるために動きながら球を捕る。

 見据えるのは、中学生以降のステージ。怪我を予防して、体が大きくなればパフォーマンスが一気に伸びる土台をつくっている。実際、横浜球友会を卒団した選手は85%以上が高校でも野球を続けている。専門知識のある笹木監督だからこその練習ではあるが、限られた時間で効果を出すヒントがある。

コーチは全員チームOB 選手の出場機会を優先して大会に出場

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY