土日は練習なし、成長のカギは効率化…20年以上前から“先進的”な少年野球チームの秘密

横浜市で活動する少年野球チーム「横浜球友会」【写真:間淳】
横浜市で活動する少年野球チーム「横浜球友会」【写真:間淳】

コーチは全員チームOB 選手の出場機会を優先して大会に出場

 70人を超える選手たちをグループに分けて、効率良く練習するにはコーチの力が不可欠。笹木監督をサポートするコーチ陣は主にチームOBの大学生が担っている。指揮官は「チーム発足当初は近くにある大学の学生に依頼していましたが、17年かけてコーチが全員OBになりました。卒団生が戻ってきたくなるチームづくりを意識しています」と感慨深げに話す。

 短い練習時間でも選手たちが野球の楽しさを知り、上手くなる理由は他にもある。練習試合はもちろん、笹木監督は公式戦でも多くの選手を起用する。その理由を説明する。

「練習試合は練習したことを確認する場で、公式戦に出られなかった選手の穴埋めではありません。小さな大会でもいいので、全ての選手に公式戦の緊張感を経験してほしいんです」

 チームは都筑区少年野球連盟をはじめ3つの連盟に属している。笹木監督は「負けたら終わりのトーナメントよりも、選手の出場機会が多い大会を選んでいます。また、全ての試合に参加すると土日に家族と過ごす時間が取れなくなる場合は、家族の判断で欠席も可能としています」と話す。

 試合に出るチャンスがあれば、選手は上手くなろうと向上心を持って練習する。怒声罵声の禁止は言うまでもなく、短い練習時間や全選手の試合出場を23年前から取り入れていた横浜球友会。最近の学童野球の流れをつくったチームと言って間違いない。

(間淳 / Jun Aida)

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