元ロッテ里崎氏が地元・徳島に恩返し 野球教室で子どもたちに伝えた“プロの思考”
里崎氏とフィットラボが協力、5月の熊本に続く2度目の開催
現役時代はロッテで捕手として活躍した里崎智也氏が26日、地元・徳島の子どもたちに大きな笑顔を届けた。この日、阿波市民球場で開催されたのは「楽しさからはじまる! 里崎智也 enjoy 野球教室 supported by FitLabo」と銘打った野球教室。阿波市周辺の少年野球チームに所属する小学6年生41人が参加し、徳島が生んだヒーローから野球を教わる貴重な時間を楽しんだ。
本イベントは、1人でも多くの子どもたちに野球の楽しさを知ってもらいたいと願う里崎氏と、野球やスポーツを通じて子どもたちの自立心や向上心を高め、将来は自分で考えて行動できる人材になって社会で活躍してほしいと願う株式会社フィットラボが意気投合して実現。5月の熊本開催に続く2度目は、里崎氏の故郷・徳島が舞台となった。
緊張の面持ちで開会式に臨む子どもたちに、里崎氏は「わからないことは何でも聞いてください。今日教えることを1つでも2つでも身につけられるよう頑張っていきましょう!」と元気に挨拶。今にも雨が降りそうな曇天の下、まずは野球の基本となるキャッチボールの指導から始まった。
「みんなはいつもボールをどうやって握ってる? なんでそこを握るの?」
思いも寄らなかった質問に、いつも通りに人差し指と中指をボールの縫い目にかけて握ったまま、首をひねる子どもたち。「なんでって言われても……」「教えられたことない」「こう持つんやって言われたから」と降参気味の子どもたちに、「それじゃ計算の答えがわかっても式がわからないのと一緒だよ」と笑顔の里崎氏は、こう続けた。
「縫い目に指を掛けて投げた方が回転の利いた強いボールが投げられるよね。そして人差し指より中指の方が長いから、どちらの指も最後まで縫い目に掛けておくには、この位置を握るのがいいんだよ」
里崎氏のわかりやすい説明を聞くと、謎が解けた子どもたちは「おぉ!」と納得と感嘆の声を挙げる。コントロールよく投げるために大切なグラブを持った手の使い方、捕球後に素速く送球するための足の動き、さらにはバッティングで遠くに打球を飛ばすために重要となる両足親指の使い方など、一事が万事。いつも何気なくやっている野球動作の理由や効果について、改めて里崎氏がジョークを交えながら解説すると、子どもたちはその話術に引き込まれるように真剣に耳を傾け、言葉を吸収していった。