平良の先発転向で「ワンチャンあるかも」 西武入りの張奕、渡辺GMが語った指名のワケ
台湾出身選手が活躍する土壌 “新オリエンタル・エキスプレス“襲名の期待も
張は台湾出身で、2019年11月のWBSCプレミア12に台湾代表として出場。来年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)にも「自分自身は出たいです。世界大会にはすごい選手がたくさん出場するので、その経験から何かを吸収できれば、自分にとってプラスになるし、西武ライオンズの戦力にもなれると思う」と出場に意欲を示す。渡辺GMも「どうぞ、どうぞ。ウチでは呉念庭(内野手)を含めて、(最終メンバーに)選ばれる可能性は高いし、選んでほしいと思っています」と後押しする方針だ。
もともと、西武には台湾出身選手が活躍する土壌もある。2021年に球宴出場を果たした呉念庭もそうだが、かつては1985年から13年間在籍した郭泰源投手が、MAX158キロの豪速球で“オリエンタル・エキスプレス“の異名を取り、91年にMVPに輝くなど大活躍。張誌家投手や許銘傑投手の勇姿も、西武ファンの心に刻まれている。
特に呉念庭は、張にとって台湾での小、中学校時代にもライバルチームに所属し、来日後も高校、大学、プロと対戦を繰り返してきた先輩だ。張は「まさか同じユニホームを着ることになるとは。(移籍決定後)速攻で連絡しました」と口元をほころばせた。溶け込みやすい環境であることは間違いない。
西武では新外国人のティノコ、平良と今季最優秀中継ぎ投手のタイトルを分け合った水上由伸投手、20ホールドの好成績を挙げた本田圭佑投手、森脇亮介投手らがいるブルペンで、より重要な役割を巡り争うことになる。新たな“オリエンタル・エキスプレス”になれる素材の張は、実に魅力的である。チームにとって平良の先発転向がプラスになるかどうかは、勝利の方程式の編成にかかっている。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)