自由契約なのにワクワク…ヒゲも茶髪もバッサリ、新天地での復活呼んだ“ばあちゃん”の言葉
「スターおらな東京ちゃう、俺らは下町スワローズや」
巨人との開幕戦(東京ドーム)には「6番・左翼」でスタメン出場。移籍後初安打をマークするとその後も打撃好調で、主に1、2番として存在感を発揮した。
「オリックスの最終年もある程度、手応えは持っていた。いい緊張感で試合にも挑めて良いスタートが切れた。同級生の大引、森岡、今浪、雄平たちもチームに溶け込めるようにサポートしてくれたのが大きかった」
個人としては最高のスタートを切ったが、チームは開幕4連敗を喫するなど、状態が上がらず苦しい戦いが続いた。主力選手にも怪我が相次ぎ、前年の打点王・畠山和洋、首位打者・川端慎吾、ベストナインの雄平、トリプルスリーの山田哲人が離脱。“スター”を欠いたチームは7月下旬には借金「15」を抱え最下位に低迷した。
「次から次に、優勝に貢献していた主力が抜けて……。ついには山田哲人もおらんようになって。これはアカンぞと。でも『アイツがおらんから勝てない、弱い』って言われるのは嫌。そういう状況は性格的に好きだった。スターおらな東京ちゃう、俺らは下町スワローズや! 見返してやろうぜ、とね」
逆境から這い上がった男の言葉にナインも発奮。シーズンは5位に終わったが、試合を重ねるごとに「下町スワローズ」は浸透していった。
(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)