盗塁に足の速さは関係なし 3種類のスタートと成功率を上げるリードの向き
盗塁は判断とリード 投球の高さやコースで変わる成功率
投球のコースや高さによって、捕手はスムーズに二塁へ送球できるケースと難しいケースがある。真ん中高めの投球は中腰で捕球するため、二塁に送球しやすい。一方、ワンバウンドの投球や右打者の内角側に外れた投球は送球体勢をつくるまでに時間を要する。
辻監督は投球の軌道を見てコースや高さを判断し、ワンバウンドする前にスタートを切る方法を選手に伝えた。こうした選択肢を持つことは、盗塁の成功以外にも効果があるという。
「隙があれば走る姿勢は、相手バッテリーにプレッシャーをかけられます。選択肢を知ることで選手たちには先の動きを考える習慣もつくと思います」
盗塁で重要になる判断とスタート。さらに、塁上でのリードにもポイントがある。辻監督はライン引きを手に、一塁ベースから二塁ベースに向かって白い「矢印」を書く。次に、矢印より右翼側に「直線」を引いた。
矢印が示すのは、一塁ベースから二塁ベースまでの最短距離。一方、直線は進塁と帰塁する上でベストなリードとなる位置を示している。直線のルートの方が二塁ベースまでの距離はわずかに遠くなる。しかし、二塁へスタートを切る時に体の向きを変える角度が小さく、帰塁の際には一塁手のタッチを交わしやすいメリットがある。
辻監督は選手たちに「動かないチームは点を取れない」と繰り返した。盗塁や走塁では、足の速い選手の方が有利にはなる。しかし、走力に関係なく次の塁を陥れる方法がある。
(間淳 / Jun Aida)
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