坂口智隆と出会ったバッティングセンター　特待生制度があれば…幻の甲子園優勝

神戸国際大付で1年生エースとして甲子園出場も「もっとメカニックに興味を持っていれば」

　結果的に特待生制度のなかった母校は、「金銭面で親に迷惑をかけたくない」という理由で、坂口の選択肢から外れた。チームメートになることはなかったが、神戸国際大付に進学すると1年エースとして2001年の選抜大会に出場し、早くからプロに注目される選手に成長していった。

　だが、甲子園に出場したのは1度だけ。投手としてのピークは1年秋が「一番いい球を投げていた」と本人が語るように、その後は低迷。「勝手にサイドスローにして140キロが出て『お、ええやん』と喜んでいた。根拠もないのに（笑）。もっとメカニックに興味を持っていれば、プロでも投手をやっていたかも」と、当時を振り返っている。

　最上級生になると、兵庫の高校野球は報徳学園が圧倒する。県大会は史上2校目となる秋春夏の3冠を達成。エース・大谷智久（現ロッテ2軍投手コーチ）を擁し2001年の明治神宮大会、翌2002年の選抜大会で優勝を果たした。夏の甲子園は初戦で浦和学院に敗れ、春夏連覇の夢は敗れた。

　2002年夏の兵庫大会決勝では神戸国際大付と報徳学園が対戦。「絶対に勝ったる」と意気込んで先発マウンドに上がった坂口は3回途中5失点で降板し、高校野球の最後は外野手として敗戦を見届けている。