突然の定位置剥奪「予想スタメン全部、俺が外れてる」 危機を救った“鬼軍曹”の帰還
青木宣親がヤクルト復帰…宮本ヘッドコーチから「一塁やってみるか?」
当時の外野布陣は左翼に主砲のバレンティン、右翼に雄平、中堅に坂口。ヤクルト時代に7度のゴールデングラブ賞、打撃で2度のシーズン200安打を達成し、メジャーでも通算774安打を放った“安打製造機”とポジションを争う立場になった。
そんな中、「一塁やってみるか?」と声をかけてくれたのが、同年にヘッドコーチとして古巣に戻ってきた宮本氏だった。猛練習と厳しい指導で知られる“鬼軍曹”の入閣に当時のナインは震えあがっていたが、坂口氏の考えは違った。
「宮本さんが帰ってくる時は皆、そわそわしていた。ロッカーがピリつくというか。でも、僕は現役時代も知らない。一塁の話を貰った時は『ほんまにありがとうございます!』と心底思った。試合に出られるチャンスが増えるかもしれない」
中学時代に経験はあったが、本格的に一塁手にトライするのは初めて。キャンプ中はファーストミットを片手にノックを受け続け、外野ではなかった連携プレーを覚える日々。気合と根性だけで1軍を目指した近鉄時代を思い出した。