DeNAの鉄腕が描くチーム内“下克上” 山崎康晃に守護神を「6年もやらせる気はない」

守護神の座を争うDeNA・伊勢大夢、三嶋一輝、山崎康晃(左から)【写真:宮脇広久】
守護神の座を争うDeNA・伊勢大夢、三嶋一輝、山崎康晃(左から)【写真:宮脇広久】

明大の1年後輩を“警戒”「あいつはポテンシャルが高い」

 昨年7月9日、敵地東京ドームで行われた巨人戦。1-0の最少リードで迎えた8回、伊勢は2死一、二塁のピンチで先発の浜口遥大投手をリリーフし、グレゴリー・ポランコをフォークで一ゴロに仕留めた。続く9回も続投して無失点に抑え、プロ初セーブをマークしたのだ。この時チームには、前日まで3連投していた山崎をなるべく使いたくない事情があった。

「(山崎に)6年間もクローザーをやらせる気はないですよ。6年間のうちに、いつか超える。伊勢のお陰で勝てた、と周りの方々に思ってもらえる試合を重ねていけば、当然そのポジションを奪えると思います」と強調。「6年間もやらせてしまったら、新しく(別の候補者が)入ってきてしまいますから」と付け加えた。たとえば、大卒2年目の昨年リリーバーに転向し、5勝1敗15ホールド、防御率3.00と活躍した入江大生も、伊勢にとって“不気味”な存在。「あいつはポテンシャルが高い。頭を使い出したら、大変ですよ」と明大の1年後輩を“警戒”する。

 昨年の登坂過多を心配する声もあるが、伊勢本人は「1、2年目も、1軍では三十数試合の登板でしたが、2軍を含めれば登板数はあまり変わらない。むしろ(セットアッパーとして)ポジションを固定していただいた分、意外に疲労を感じてしません」と頼もしい。1月中こそブルペン入りを控えてスロースタートするが、「基本的に僕は“投げなきゃダメ”なタイプ。去年もキャンプ中に150球投げ込んだ日がありました。今年も2回くらい、100球近く投げて体を疲れさせる日をつくりたい」と調整プランを描いている。

 今月上旬には神奈川県厚木市で、山崎、抑えの経験がある三嶋一輝投手、入江らチーム内のライバルと合同トレ。今年も常に守護神の座を視野に入れながらシーズンを過ごすつもりだ。「登板数やホールド数は、自分がコントロールできない部分があるので、防御率にこだわりたい。3点台や4点台になってしまうと、相手打者にゆとりが出るので、見栄えのいい数字にこだわりたい」と言う。昨年同様、1点台以下であれば申し分ない。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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