DeNAの鉄腕が描くチーム内“下克上” 山崎康晃に守護神を「6年もやらせる気はない」

自主トレを公開したDeNA・伊勢大夢【写真:宮脇広久】
自主トレを公開したDeNA・伊勢大夢【写真:宮脇広久】

DeNA・伊勢大夢は3年目の昨季両リーグ最多の71登板…39ホールドをマーク

 昨年両リーグを通じて最多の71試合に登板し、39ホールド(リーグ2位タイ)、防御率1.72の好成績を挙げたDeNA・伊勢大夢投手。プロ3年目にして球界を代表するリリーバーの1人となったが、開幕前から虎視眈々と狙ってきた守護神の座には、山崎康晃投手の厚い壁に阻まれ届かなかった。その山崎が今年から新たに6年契約を締結したことを、伊勢はどう受け止めているのだろうか──。

「ヤスさん(山崎)が6年契約ですから。球団としてもクローザーとして去年の成績を求めて契約したのでしょうから、簡単に僕が『ポジション奪う』と口にしても……。言い方は悪いですが、ヤスさんが“滑って”くれないと、つかめないですよ」。伊勢はあっけらかんと本音をそう明かす。

 昨年は自主トレの段階から「僕ら若手がポジションを奪うつもりで突き上げていかないと、チームとしてレベルアップできない」と正面切って抑えの座奪取を目標に掲げ、実際にキャリアハイの数字を残した。しかし、一昨年まで2年連続で不振にあえいでいた山崎もまた、56試合37セーブ、防御率1.33で見事な復活を遂げ、その上オフには6年の大型契約を結んだのだった。

 入団以来ずっと山崎の背中を追いかけてきたとあって、伊勢には「まだ学べるという意味で、うれしいです」と先輩のチーム残留を喜ぶ気持ちもある。とは言え、プロとしてより重要なポジションを狙う気持ちにも変わりはない。「ヤスさんが怪我をすることがあるかもしれないし、調子が悪い時は必ずある。その時に代わりのパーツとしてはまれるように、常に準備しているつもりです」と胸を張り、「去年1試合だけですけれど、それをクローザーとしてやり遂げることが一番うれしかったです」と振り返る。

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