「失敗しない野球やっていた」 大学通算3試合の“補欠”が目指すMLBの夢舞台
北米独立リーグ「オタワ・タイタンズ」でプレーする福田満樹捕手
大学時代に“補欠”だった男が夢を追って日本を飛びだした。北米独立リーグで、カナダのオタワを本拠地とする「オタワ・タイタンズ」で2年目のシーズンを迎えるのが福田満樹捕手だ。「最終目標はメジャーリーグ」と、野球ができる喜びを噛みしめプレーを続けている。
九産大時代は、4年間でリーグ戦わずか3試合出場。チームの中では“補欠”という扱いで「完全に実力不足だった」とレギュラーとの差を実感していた。大学卒業後も野球を続ける意思を固めていたが、社会人などからオファーはなかった。
どんな形でも野球を続けたい――。強い気持ちを持って米国に渡り、日本人が主催するトライアウト「アジアンブリーズ」に参加した。スローイング、キャッチングなどの守備力が「オタワ・タイタンズ」の目に留まり、正式に入団することが決まった。
契約金はなく、報酬は試合が行われる5月から9月まで月1000ドル(約13万円)だった。MLB同様に契約を交わしても、実力がなければいつ解雇されてもおかしくない厳しい世界だ。昨年の春季キャンプ中も同僚が、チームを去っていく姿を何度も目の当たりにした。
「日本に比べると周りの人には過酷と言われますが、向こうではそれが当たり前。最初はとんでもない世界に来てしまったと思いましたが、途中からはクビになったら仕方ないと割り切りました。これまで、失敗しないための野球をやっていても良さはでなかった。このままじゃ、日本でやっていた時と同じになってしまう」