「失敗しない野球やっていた」 大学通算3試合の“補欠”が目指すMLBの夢舞台

九産大時代はリーグ戦わずか3試合出場だった【写真:本人提供】
九産大時代はリーグ戦わずか3試合出場だった【写真:本人提供】

コーチからスローイングを褒められ「それがすごく自信になった」

 骨格や体格の違う外国人に真正面から立ち向かっても勝負にならない。力勝負ではなく、日本人の良さを全面に出すことを心掛けていった。ブルペンに入る投手とコミュニケーションを取り、試合ではしっかりとした意思疎通を行う。試合に向けた準備、気遣いなどを徹底していくなかで「監督、コーチから認められるようになった」という。

 試合に出ることに飢えていた福田は、チャンスを与えられると、がむしゃらにプレーを続けた。打撃に課題は残したものの、全96試合中35試合でスタメンマスクを被りチームの信頼を得た。日本では力を発揮できなかった男はなぜ、異国の地でチャンスを得られたのか。

「今まで日本では褒めてもらう習慣はなかったのですが、こっち(カナダ)に来た時にコーチからスローイングを褒められたことがあって、それが凄く自信になりました。上下関係などのストレスがない環境でプレーすると、こんなに違うんだと気付いた。純粋に野球って楽しいんだと感じた瞬間でした」

 試合の遠征では15時間のバス移動も経験したが、「野球ができる、試合に出られる喜びの方が大きかった」と苦に感じることはなかった。

「MLB傘下チームの目に留まるようにアピールしたい」

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