食事は持参、ユニホームは手洗い 戦力外で環境一変…元燕戦士が独立Lで“原点回帰”
NPBと独立リーグの環境面の違い「どれだけ恵まれていたか知ることができた」
2月1日からの春季キャンプに合流したが、わずか1年前まで“当たり前”だった環境は一変した。NPBでは春季キャンプ中はホテルに宿泊し、移動もチームバス。練習ではスタッフが準備やグラウンド整備を行う。洗濯物も指定の場所に入れれば翌朝に洗濯されて届き、食事なども提供される。
現在は貯金を取り崩し住居を熊本に移し、球場まではマイカー通勤。食事も持参する必要があり「キャンプ初日は何も持っていかなくて。バッグに入っていたバナナ1本を食べた」という。練習が終われば体のケアよりも先に、自宅に戻りユニホームに付いた泥を、たわしで擦り落とす毎日を送っている。
「自分がどれだけ恵まれていたか知ることができ、忘れていたものを思い出せた」
NPB復帰に向け、独立リーグでは圧倒的な成績を残す必要がある。新天地では打撃3冠を目標に掲げ、NPB球団に猛アピールするつもりだ。
「僕は不器用なのに変に色気を出して、ヤクルト時代の後半は綺麗に打ち返す、ミート力を上げようとしてしまった。自分の良さが消えて、どうやって打っていたか分からなくなった。求められているのは長打力。そこをブレずにやっていきたい」
移籍期限は7月いっぱい。「チームのレベルは高いので、競争に勝たないと試合には出られない。がむしゃらにやって後悔しない野球人生にしたい」。1年勝負と決め、NPB復帰を目指していく。
(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)